セカイの裏側

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コツコツコツ…… とある建物の廊下を、急ぎ足で歩いている者がいる。 「緊急の呼び出しって、何よ。まったく……」 彼女の名は、長瀬 凛(ながせ りん) つり目気味の大きめで、しっかりと見開いた眼。 顔立ちは、それなりに整っている。 彼女はラフな格好の上に白衣を羽織り、腰まで届きそうなくらいの長い黒髪をなびかせ、ある場所へ向かって歩いている。 「至急、第五会議室に集合かぁ。第五会議室って言ったら、最重要要項の会議くらいでしか使わないのよねぇ……」 凛は、何か悪い胸騒ぎを感じていた。 しかし、所詮、推測は推測の域を出ない。 「とりあえずは行ってみないと分からないか……」
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