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「《良いか。落ち着け。お前はきっと初めての下界に少し興奮し過ぎたんだ。よく考えろ。お前は次期代十三代魔王。現王サタンの実の息子。サタンが愛してやまないルヴェルディ第一王子だそ。そんな人物が中立国に居るのが少しでもばれてみろ。いくら中立国だとしても、いや中立国だからこそ、周りの圧力に負けて国は俺達を国は差し出すぞ。そして、魔王の息子とばれナイ様にするためには、目立たない事。ルヴェルディ王子貴方様には、魔法学園に居る間…否、この世界に居る間。絶対に切れない自信はありますか?》」
シオンは念話という、お互いの魔力の波長やお互いの合言葉みたいなものを、理解又は直接聞いた者同士が口にせずに会話出来る魔法を……
たとえそれらを知らなくても、強い魔力を持ちさえすれば一方的な会話が出来るが、相手か自身に代償が必ず来るため、それを行う者は少ない魔法を……
近年魔法の世界の裏で念話の盗聴実験を進めているそうだが、そもそもその魔法を創ったのは魔族の者のため、人間に技の仕組みを解かれる心配は無い魔法を……
もし解かれたとしても、魔力の波長や合言葉というのは十人十色。百人いれば百種類ものパターンがある。それをまた人間が解こうと足掻いたとしても、解くのは至難な魔法を……
そんな盗聴つまり聞かれる恐れが最も無い安心出来る魔法を、使って俺に長々と説教をしてきた。
「えっとね、魔法学園はこの国に二つあるの。男子魔法学園と女子魔法学園。この二つとも六歳からの入学が許可されていて、十八歳まで学園内での寮生活が義務付けされているわ」
「ふん。ふん。それで」
俺はシオンの話を聞きながら、店員さんにどんな学園なのか入学手続きや、何処にあるか聞くという器用な事をしていた。
「《だって行きたいんだもん》」
「《身の危険に関わる事だぞ》」
「なんで男子女子と別れるかと言うと、魔力量・魔力質どれをとっても全く違うからよ」
「ふぅ~ん。そんな理由があったんだ。入学手続きはどうすればいい?」
「《それでも、通いたい》」
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