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「まぁ、まぁそうへそを曲げんな」
「パフェ十個」
ルヴェルディは両手を広げ、シルバの方に向けて言った。どうやら、"パフェで手を討とう"という事らしい。
「わかった」
「で、コレからどうする?」
パフェをくれるという言葉にすっかり気を良くしたのか、ポケットから取り出したラムネを数粒ほうばりながら、ルヴェルディは呑気に言った。
「取り敢えず、魔力を早々に封印しろ」
「なんで?」
言葉と共に首をチョコンと傾げる様は、小動物を連想させる可愛いらしいもので……
「……ッ!!お前の魔力量と質が半端ねぇッーんだよ!!そッ…ソレくらい分かれッ!!ほら、まッ周りをみてみろ!!酔っ払いのおっちゃん達全員気絶してるじゃね~かッ!!」
シルバはテンパってしまった。
「酔いだれているだけダロ」
そんな事はつゆ知らず、酔っ払いをみてルヴェルディは言った。
「……ッ!!……ああ、かもな」
「ダロ!!」
「だがな、あそこの建物にいる料理途中につぶれている、女性はどう説明する」
「眠くなったのかぁ?」
「のかぁ?って聞かれてもな……つべこべ言わずに、この魔具を付けろ!!」
シルバはそう言うと、懐(ふところ)から大,中,小の余す所無くびっしりと文字が刻まれた、金の輪を大中小それぞれ六個出してきた。
「シルバ…なんで怒っているんだよ」
「お前の魔力を感知して、魔王様が来る可能性があるからだ!!」
「そっか!!シルバ!!」
シルバの言葉を聞き、ようやく状況を理解したのか、ルヴェルディはシルバに向けて手を差し延べた。
「ほいよ」
――パシッ。
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