◇・始まり・◇

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「まぁ、まぁそうへそを曲げんな」 「パフェ十個」 ルヴェルディは両手を広げ、シルバの方に向けて言った。どうやら、"パフェで手を討とう"という事らしい。 「わかった」 「で、コレからどうする?」 パフェをくれるという言葉にすっかり気を良くしたのか、ポケットから取り出したラムネを数粒ほうばりながら、ルヴェルディは呑気に言った。 「取り敢えず、魔力を早々に封印しろ」 「なんで?」 言葉と共に首をチョコンと傾げる様は、小動物を連想させる可愛いらしいもので…… 「……ッ!!お前の魔力量と質が半端ねぇッーんだよ!!そッ…ソレくらい分かれッ!!ほら、まッ周りをみてみろ!!酔っ払いのおっちゃん達全員気絶してるじゃね~かッ!!」 シルバはテンパってしまった。 「酔いだれているだけダロ」 そんな事はつゆ知らず、酔っ払いをみてルヴェルディは言った。 「……ッ!!……ああ、かもな」 「ダロ!!」 「だがな、あそこの建物にいる料理途中につぶれている、女性はどう説明する」 「眠くなったのかぁ?」 「のかぁ?って聞かれてもな……つべこべ言わずに、この魔具を付けろ!!」 シルバはそう言うと、懐(ふところ)から大,中,小の余す所無くびっしりと文字が刻まれた、金の輪を大中小それぞれ六個出してきた。 「シルバ…なんで怒っているんだよ」 「お前の魔力を感知して、魔王様が来る可能性があるからだ!!」 「そっか!!シルバ!!」 シルバの言葉を聞き、ようやく状況を理解したのか、ルヴェルディはシルバに向けて手を差し延べた。 「ほいよ」 ――パシッ。
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