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ルヴェルディは空中で金輪を受け取ると、手早く大きい金輪を両足にそれぞれ三個、中くらいを両腕にそれぞれ三個、小さいのを両耳にそれぞれ三個づつ付けた。
「よしっ、全て付けたな」
「どうだ?俺の魔力普通の人間位か?」
「否、まだ程遠い。後そうだな……封印魔法有るだろ、それを十三回分かけろ」
「わかった。我魔王の眷属のルヴェルディなり、魔族に属する全種族の精霊よ我の魔力量,質共に封印せよ《インティア》!!」
呪文を唱え終えた刹那、柔らかな光がルヴェルディを包み込みひと時瞬いた後、どんどん小さくなっていった。
「たっく、神級魔法をわざわざ唱えやがって時間の無駄だ。魔王の眷属なら呪文唱え無くても出来ただろう。あれだけ膨大な魔力が在れば(それにしても、魔具だけでも一つにつき、今己に在る魔力を半分まで封印する効果がある、幻級の魔具十八個。神級の封印魔法は噂によるとこれまた、今己に在る魔力を大体一京分の一までにする魔法だ。大丈夫かなルヴェルディ……息なりそんなに魔力押さえ込んで……)」
「シルバ!!俺の魔力は今どれくらいだ!!」
「そうだな…うん普通の人間位だ」
「そうか。良か……」
言い終わるか終えないか辺りで、ルヴェルディは後ろに倒れようとしていた。
ルヴェルディが屋根にぶつかるかというところで、シルバが素早く後ろに廻ら無ければ、ルヴェルディは真っ逆さまに落ちていただろう。
高さ数十メートルのこの時計塔から意識の無い状態で落ちたら、
たとえ魔王の息子といえど一たまりもなかっただろう。
「全く、後先考えずに行動するのは俺を信頼しているのか、ただの馬鹿なのか……お前はどっち何だろうな」
シルバがルヴェルディに忠誠を誓って十数年。シルバは今だこのヤンチャな主の事を理解出来ないでいる。
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