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* * *
チュンッ、チュンッ
遠くでリトルノームの鳴き声がする。
――あれ?俺の家(魔王の城,ヴィラ城)の近くってノーム種の生息地だっけ?
チュンッ、チュンッ
――それに何か…鳴き声が少し弱々しい気が……
リトルノームは
毛深く丸くコロコロとした、可愛いらしい小さい動物で常に群れで行動している、人懐っこい魔獣だ。
(本当はルヴェルディと魔王に懐いているだけで、本来人に懐かない狂暴な魔獣。魔王とその息子のルヴェルディに、ほとんどの魔獣は忠誠を示すか、懐くため二人の頭の中での魔獣の意識は人懐っこい可愛い奴。)
「カイリ…カイリ起きろ」
シルバの声がする。
その事を認識した途端、急に空にかかっていた雲がのくかの様に、頭が冴える感じがした。
――あぁ、そう言えば俺下界に降りたんだっけ……じゃあ、さっきの鳴き声はリトルノームじゃ無くて、下界でいう雀の鳴き声かな?……リトルノームみたいに可愛いのかな?
『見てみたい』
「なぁ、シルッ!!!」
『シルバ』と呼ぼうとしたら、シルバに片手で口を塞がれてしまった。首をまわしてシルバに何事かと聞こうにも、当の本人は頬を薄く染めるばかりで、何も言おうとしない。
――何だ。
息なりこんな事をされてもパニックに成らないのは、きっと長年の付き合いであるためと、シルバがふざけた顔ではなく、真剣な顔をしているためだろう。
――シルバ?
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