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その手は1本では無く20本、30本と闇から朱哉を捕まえるように伸びて来る。
「目障りだ。」
朱哉は至って冷静に伸びてくる手を眺めていた。
その時、一本の手が朱哉の腕を掴んだが、それは朱哉の腕をすり抜けるだけだった。
「まだ分からないらしいな?あんたらみたいな体無くした魂だけの存在が、体も魂も持つ存在を捕まえることが出来るかよ。」
「もっともあんたらの場合魂というより、ただの感情が集まっただけの魂以下の存在だけどな。」
淡々とした口調で喋る朱哉に対して青白い腕達は何かを訴えるように蠢いている。
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