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夏の夜に焔が紡がれる。
短き闇に謳が灯る。
光を求めて闇が鳴り響く。
~夜の謳~
:第一章:
とある民家から二つの怒鳴り声が聞こえる。
その民家は二階建ての普通より大きめの家で、裏には普通よりやや小さい山がある。
民家の中からは二つの男の声が外に響いていた。
「なんで俺が倉庫掃除しなきゃならないんだよ!!」
短い黒髪の男が叫ぶ。
「仕事で疲れてる兄にやらすのか?」
首元まで伸びた黒髪の中に茶色が混じった男は冷静に返す。
「仕事だ?テメー一週間近く家から出てないだろうが!!」
「黙れ愚弟。文句言わずにさっさとやってこい。」
「んだとクソ兄貴!!」
「じゃあ無理矢理でもやってもらおうか。」
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