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「ったく…何でこの家は寺でもないのにこんな筆で書かれた本があるんだ?」
兄と違い普通の顔立ちの夏野は自分が片付けた本を見て、ため息をつく。
「さて…外に出すか」
そう言って持てるだけ本を抱える。
(お…重い)
ヨロヨロと扉に向かって歩く。
しかし彼の足元には筒状の何かが転がっていた。
「わっ!!!」
もうベタとしか言いようの無いくらい見事に後ろにこけた夏野。
彼がこけたせいで倉庫の棚から本や箱が大量に夏野の顔面めがけ落ちてきた。
「ぐぁっ…」
全て顔面キャッチした夏野の意識は飛んだ。
『……な』
『ひ…な…い…か』
『ひら…なさ…い…そ…かた』
『拓きなさい、その刀を』
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