第一章

9/40
前へ
/262ページ
次へ
夏野は悲鳴のような声を聞き、布団から跳び起きた。 「なっ…なんだ今の…ていうか俺いつの間に寝てたんだ?」 ガタガタガタガッバキャッ 「下…倉庫か?!」 「何でこんな時間に?こ、怖いから寝ちゃおう」 夏野はヒビの入った携帯の液晶を見て、すぐに目をつぶった。 「…騒がしいと思ったら…」 朱哉は今、倉庫の前にいる。 そしてその倉庫の扉は無くなっていた。 倉庫の中は電気が点いておらず真っ暗な闇があるだけだった。 「はぁ…こんなの無視してればいないのと同じなんだがな。」 「これはちょっと居すぎじゃないか?」 朱哉がそう言うのも無理はない…倉庫の先の闇から青白い手がゆっくりと出て来ているのだから。
/262ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加