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'こりゃ、決定だな'
'みたいだな……しかし、どうしてだ?'
'大好きな兄上が、炎の才が無い性で居なくなった、もしくは炎の性で辛い事があったかだな」
'………まさかな?'
'どうした、和麻?
「鈴、人に怪我を負わせたか?」
ビクッ!
「やっぱりか……心優しいお前のことだ、その性で炎が怖いか?」
「……はい……怖いんです、また他人を傷つけるのが」
蚊の鳴くような小さな声で和麻の問に答える。
「うわっ、典型的な例だな……でも、これから術師として生きていくなら、当然の迷いだ」
『えっ!』
「これは俺の個人的な意見だが、君や煉はまだ十二年しか生きてない、答えはこれから出すべきだと思うよ」
缶の茶を飲んで一息つかせ、続きを話す。
「炎術は火力、威力がある……しっかりとした芯、つまり信念かな、それが無ければ簡単に振るっていい力じゃない……まぁ、簡単に使うお馬鹿さんがここに一人いるけどね」
「喧嘩売ってんの?」
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