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「こっちがハルちゃんの部屋ね」
と空いた部屋を開けるともう段ボールが数箱置いてあった。
数箱なんて少ないよ。僕なんてゲーム機や漫画や小説で数箱使った。
「手伝わなくていい?」
「ありがとう…藍、先輩」
藍先輩なんて呼んでくれたのが嬉しくてハルちゃんに抱きついた。
僕は抱きつき癖があるようでCROWの副長の夜(中性的な綺麗な感じの福岡弁受け)に抱きついてヨウとタクがキレたんだっけ…。
懐かしいよ、あのときの2人のキレた顔。
「あーもー可愛いよ!!」
「ちょっ!抱きつくなよ!」
うっすらと柑橘系の香水の匂い。
「藍先輩、俺は…」
ハルちゃんがなにか言おうとしたところでピンポーンとインターホンが鳴った。
仕方ないから、ハルちゃんから離れてドアを開けるとコンビニ袋を持ったニンマリと笑うタク。
「301号室、ビンゴだねー。はい、これは君にあげる」
何故かそのコンビニ袋は僕にだった。
中を見れば僕の大好物である焼プリンが3個入っていて、驚いて顔を上げるとニンマリしているタク。
「差し入れと言えば焼プリンしか思い浮かばなくてさー、焼プリンは好き?」
タクは僕によくこの焼プリンを買ってきてくれた。
「ありがとうございます。好きですよ、焼プリン」
「そう?よかった。君にも気に入ってもらえて嬉しいよ」
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