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君にも、って昔の僕のことも含めたのだろうか。
「なにか用ですか?」
後ろからハルちゃんの不機嫌そうな声。
タクは楽しそうに笑って僕の頭に手を置いて撫でた。
「ふーん、立花遥君も?奇遇だねぇ、僕もだよ…ふふ」
しばしの沈黙。
「いけない。僕は立花君に書類持ってきたから立花君の部屋に行きたいんだけどー」
タクは大きめの封筒をブラブラ揺らした。このサイズは印刷所に原稿を送るときのサイズだ。
どこに持ってたの?
「…いいですよ。その代わりに片付けを手伝ってくださいね」
ハルちゃんは封筒を取ると、タクはお邪魔しまーすと靴を脱いで上がってきた。
「あっ、ハルちゃん!」
僕が呼び止めると、ハルちゃんは振り向いてくれた。
「お昼まだだから、あとで一緒に食堂行こうよ」
もう12時前だ。
願わくばハルちゃんと生徒会の接触してほしい!
僕はそれを見たいんだ!
邪な本音だけどね。ごめんね、ハルちゃん。
「いいよ。でも時間掛かるかもしれな…」
「じゃあ、僕もお昼まだだから一緒にいいかな?」
タクも一緒に!?
余計に目立って親衛隊から僕も目を付けられるんですね分かります。
「いいですよ、柳ヶ浦先輩」
「タクって呼んでよ、藍」
呼び捨てかい!
と思いつつ、ハッとした。タクは僕のことを感付いてるんじゃないかと。
タクはなにを考えてるのか分からない。
「藍が待っててくれるんだから、さっさと終わらせるよー立花君」
タクはハルちゃんと部屋に入っていった。
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