0::軽佻浮薄:ケイチョウフハク

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  「あー、俺らやる気ないんだわ。今日はやめようや」 全く覇気が感じられないFakerの副長であるヨウとその面々。 こんな風に育てた覚えは無いわよ!…うん、痛いのは分かってるよ。 それを聞いた赤毛のBatの総長であるレンは顔をしかめた。顔が整っているだけに怖さがある。 「意味が分からん。お前ら最近そんな調子なんだろ?…お前らのとこの詐欺師は?」 詐欺師は僕(総長)のことね。Fakerにちなんで総長を譲られたときに詐欺師って前代に名前をもらった。 普段はランって呼ばれてるんだけどね。 「ランがいなくなったから、やる気ねぇんだよ…」 「は?…嘘だろ?」 いなくなったって…たった3ヶ月なのに。 僕はこの3ヶ月間、ある目標のために泣きながらBLサイトばかりがブクマされている自分の携帯を破壊し(URLはメモってるけど)、Fakerの溜まり場に行かなかった。 でもこうやって木の上にいるのにね。 目標が果たされた今、携帯は新規で契約した。そして、Fakerのメンバーの近くにいる。 …でも、僕はFakerに戻るつもりはない。 深呼吸をすると、ストンと下に降りた。  
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