1::張三李四:チョウサンリシ

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  似てるね、ランに。 頭の中でこだまして、もう思考回路はショート寸前。 「言われない?」 「いえ、言われませんけど…」 「そうかな?…まぁ間違ってたようだね、ごめんね」 ニコリと笑って僕を見ている。 もういいエセ紳士攻め!早く夜とくっついてね! 「どこに出掛けるの?」 「えーっと、神山まで出て買い物でもします」 「そう、じゃあ気をつけて行ってらっしゃい」 9時に香と待ち合わせだからこの時間から行かなくてもいいんだけど、折角の土曜日だから出掛けることにしたんだよね。 新刊出てるし! 僕は寮長に手を振り、自転車置き場へと目指した。 自転車を漕ぎ、香陵駅前。自転車に鍵をつけて自転車置き場に。 ホームには誰もいないだろうと思っていたら、ベンチに2人座っていた。多分、後ろ姿からするとレンとウミだと思う。 …この2人と電車が一緒なんて耐えきれません。 いや、でもこの2人の後ろ姿を見ているうちに眠くなったウミの頭がレンの肩に乗らないだろうか? ああ、レン×ウミ…かなり美味しい!でも電車が一緒だなんてかなり嫌だ! 「若狭君、どうしたの?」 「へわぁああ!?」 こっちを見ているウミに話し掛けられて、びっくりして持っていたカバンを落としてしまった。 「驚きすぎだろお前…」 レンは冷静だった。 「若狭君って面白いね。あ、どこに行くの?」 「神山中区駅までです」 神山中区駅までは1時間半以上掛かり、途中で華塚駅や神山南駅を通過する。 神山中区にはルウル神山っていうショッピングモールがあるから、そこに行くつもりだ。  
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