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「そうなんだぁ。僕達は岡原駅で降りるんだよ」
岡原駅までは30分くらいで、近くには僕の実家がある。
…この人達、近所に住んでたの?
「あ。電車来たみたい」
電車が来て乗り込むと、ウミから手を引っ張られて右隣に座らせられた。
そして左隣にレンで両手に花!…じゃないぃい!
ただのサンドイッチ状態じゃないか!
僕は具材でふにゃふにゃのレタス1枚、2人は高級なパン。
僕を挟むんじゃなくて、(立派な具材の)ハルちゃんを挟めぇええ!
「…えっと、お2人の邪魔になりますよね?」
「俺とこいつがそんな仲に見えるのか?」
レンから不機嫌なオーラを感じて必死に首を振った僕。
「よく言うよ。まぁ、僕だってレンは願い下げだよ。若狭君を怖がらせちゃ駄目だよ」
ああもう焦れったい!腹黒バリタチが受けなんて新しいと思うのに!
「チッ」
僕を見て苛立たしげに舌打ち。
なんだか耐えきれなくなった僕は手が先に動いていた。
「もう僕が邪魔なら言ってください!ウミとイチャイチャしたいんなら、見てますんで勝手にどうぞ…あれ?」
目の前には呆然としているレン。
そして僕は自分の犯した失態に気付いた。
レンの胸ぐら掴んでるし、ウミなんて呼んでしまアッー!
「おい、お前…」
「ごめんなさい。ごめんなさい。もう殴るなら殴ってください」
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