1::張三李四:チョウサンリシ

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  レンは胸ぐらを掴んでいる僕の手首を握ってきた。 握り潰されるんですね分かります。 「別にお前が邪魔とか言ってねぇ。悪かったな」 デ、デレキター! 僕が青いツナギのいい男だったら間違いなく、やらないかって言ってる。 「まぁ、威勢がいい奴は好きだぜ」 ちょ…告白ならハルちゃんにお願いしますね。 「タクのお気に入りだったら、僕の呼び方も納得出来るね」 ウミにうんうんと勝手に納得されてしまい、なんとか危機は逃れた。 こんなスリルは僕じゃなくてハルちゃんが味わえばいいのさ! …まぁ、タクのお気に入りって浸透してるのが気に食わないけど。 「ああ、タクのお気に入りだったな。どこまでヤったんだ?」 な、なんて聞き方がストレートなんだ…! ウミは呆れたような視線をレンに送っているのに、当の本人は気にしていない。 「ヤるヤらない以前に、付き合ってたりはしてないんですけど…」 キスされたりしたけど、タクはハルちゃんが好きだけど自覚してないだけさ!僕なんかは対象外!当て馬の利用大歓迎! ああ、自分の考えてることが分からなくなってきたぜ! 「…でも、まだ探してるんだよな」 レンはどこか遠くを見ているような目をして、ボソッと呟いた。 『次は岡原駅です』 もう岡原駅か。早いな…。 岡原駅になればある程度人が増えるだろうし、2人も降りる。 少し安心していると、電車は停車した。 「じゃあな、タクのお気に入り」 「バイバーイ」 2人は降りるために立ち上がった。 そして、僕はふと扉を見て驚いてしまった。 僕のよく知っている人物がホームにいたからだ。  
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