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もう本屋は僕のテリトリーさ!
もう少年漫画の新刊を2冊を手に持っていた。
そして、BL本コーナーへ!
お目当ての『堕ちる羽』と『彼と手をつなぐ』と『恋を語ろう』を発見して手に持つと、横の夜はめちゃめちゃ不審な目をしている。
「あのさ、少年漫画は分かるばい?この3冊はちょっとな…」
「BLの良さが分からないだと…?いい?BLってのは…んぐっ」
夜は魅力を語ろうとした僕の口を手で塞いだ。
「わかったき、レジに行けちゃ」
背中を押され、レジへ。
店員のお兄さんは眉間に皺を寄せながら、会計をしてくれた。
「…で、お前昼は?」
「まだかな」
「じゃあなんか買って、広場で食べん?俺、話があるき」
有無を言わせない雰囲気を醸し出す夜に、渋々頷いた僕だった。
ハンバーガーとジュースを買って、ルウル神山の中にある広場のベンチに夜と一緒に座っていた。
家族連れが広い広場で和やかに遊んでいる。
ハンバーガーの包み紙を開けながら、夜が口を開いた。
「久しぶりやね、ラン」
「うん」
僕はカバンからパーカーを取り出してフードを被ってみせた。
「Fakerって今じゃ前の勢い取り戻しちょうけど、お前がいた頃ほどじゃないん。ホント、やり合いがないばい」
「僕が抜けたから弱くなったみたいな言い方やめてよ」
僕が抜けたぐらいで弱くなるはずはない。ヨウもタクもアサもみんな強かったんだから。
「…戻らんと?」
今更Fakerに戻る気なんてない。
それにいきなり総長をやめて抜け出した僕は恨まれてる。
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