1::張三李四:チョウサンリシ

43/51
3226人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
  「そうか…」 夜の横顔が少し寂しく見えて、僕はごめんねと謝った。 「あ。お前どこの学校行きよん?」 「えーと、香陵だよ」 「は?」 夜の手からジュースが滑り落ちて、中身のオレンジジュースは地面に…。 アリがたかりそうだ。 「あの男子校!?不良ばっかっちゃ!」 「確かに不良ばっかりだけど、生BLが見れるからいいよ!」 夜は呆れたような視線を僕に送り続けているが、きにせずにハンバーガーを食べる。 「お前…男が好きなん?」 「まさかー。僕は男と男がイチャイチャしてるのを見るのが大好きなだけさ!」 親指を立てて笑顔で言うと、夜は僕の頬っぺたをひねった。 「笑顔で言うことやなか。マジで可哀想、報われんばい」 なにが可哀想で報われないのか分からないけど、夜が可愛いよハァハァ。 「夜!番号とメアドを教えて!」 「は?いいけど…」 赤外線でお互いの番号とメアドを交換。 「あ、のさ。画像付きで青いツナギの男がこっち見てきよんやけど…」 「公園のベンチに座る青いツナギのウホッ…いい男…!」 「もうお前、駄目」 駄目じゃない!こんないい男に誘われたらホイホイついていくぜ! 「やらないか」 「…殴ってよかと?」  
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!