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夜の一発ってかなり痛そうだから首をブンブンと振った。
「香陵に入るために抜けたん?」
「オー、イエス!」
呆れたように溜め息をついた夜。
「殴ってよかと?…てか、やめる必要なかったやろ?」
「そうだったかもしれないけど、僕は一般人に戻りたかったんだと思う」
萌えのためにFakerに入って、全寮制男子校という新たな萌えのためにFakerを抜ける…。
萌えのために生きる男子、若狭藍!
…なんかカッコイイよくない?
「カッコよくないばい」
「…へ?読心術?」
夜は僕の鼻を摘まんだ。
い、痛い。
「さっきからブツブツ言いよんちゃ」
「嘘だ!思ってることをブツブツ呟いてしまうのは変装王道主人公にしか許されない技!…痛っ」
次は足を踏まれました。
ちょっと暴走したかな?
「…変態」
「生まれながらにして人間はみんな変態さ!」
夜はもうなにも言わずに僕を見ていた。
「まぁ、お前がこんな奴ち思わんかった。顔は隠すし、謎だらけの…」
「こんな中途半端な顔だと思わなかったでしょ?」
みんな美形ばっかりだったから気が引けたんだよね。そんな理由で顔を隠していた。
「中途半端とか言うな」
やっぱり男前です、夜さん。惚れてしまいそう。
性格男前受けの鏡だ!
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