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「春眠暁を覚えず、とはよく言ったものです。僕も目が覚めま…痛っ」
担任の尾渕咲之(おぶちさきゆき)が僕の頭を出席簿で叩いた。
王道な金髪のホストみたいなカッコイイ先生だ。
「なにが春眠暁を覚えず、だ!若狭は去年から春眠暁を覚えずなんだな!」
「先生のあだ名をおぶっちーからおっちゃんにしてやる」
「お、おっちゃん!?俺は27歳だ!お前は放課後、職員室だ!」
笑いだすクラスメート。
まぁ、毎朝こんな感じ。
寮部屋が1人なのをいいことに、夜中まで原稿描いたり、BLサイトを更新している。なんてフリーダムな僕。
「ほら、席に着け!」
「はーい」
「あと20分後には講堂に入れよ。入学式だからな」
おぶっちーは俺にデコピンして、教室を出ていった。
席に着くと前の席の六田知義(ろくたともよし)が振り向いてきた。
トモは綺麗系な部類に入る八重歯が特徴のバスケ部員だ。
小規模の親衛隊(むしろトモが好きな友達の集まり)もあるけど、過激じゃないし隊長さんがオタクなので僕も仲良くさせてもらっている。
「一緒に講堂行こう」
「うん」
私立香陵大学付属香陵高校での高校生活2年目。
僕は平凡顔な若狭藍(わかさあい)。
猛勉強の末、憧れの香陵高校に入学しました。
全寮制男子校が美味しすぎる!!と友達の腐男子である高坂晶太郎(こうさかしょうたろう)と一緒に入学するはずだったのに晶は来れなくなってしまった。
可愛い晶は彼氏が出来たみたいで、色々と聞かせてくれる。羨ましいぞ、晶!
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