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「新入生とか初々しいよね!もう生徒会に目を付けられて奪い合えばいいのさ!」
「お前って欲望に忠実だな…」
入場してくる新入生にハァハァする僕と呆れるトモ。
総受けになりそうな子を探そうとしていたら…なんといた!!
黒い髪の毛に、デカイ黒縁眼鏡な外見オタク!!まさに王道主人公!
絶対に変装だよ!変装の理由は可愛いから、かな?
これを王道と呼ばずになんと言うんだ!
「君に決めた!」
拍手の中、僕はそう決意した。
「ポケモンみたいに言うなよ…」
呆れるトモをよそに僕はあの子にどうしたら近付けるか、そう考えていた。
どうやら1年C組のようだ。
逆に目立ってるから探しやすいだろう。とりあえず、食堂で起こるであろう生徒会との接触を楽しみにしておこうではないか!
生徒会はまた王道な不良の集まりだ!
会長はBatの総長のレンだし、副会長はBatの副長だし…!
この高校、不良くん多いんだよね!
親衛隊はウザイくらい過激だ。
僕は引退してるから生徒会や不良くんたちに接触する気はないし、そして接触しないようにとこの1年避けてきた。
僕は関わらない。腐男子として見る側だからね。
「藍、お前が妄想してる間に新入生退場したから」
「へ?あ!ホントだ!」
悲しいことに新入生は退場していて、いるのは在校生だけ。
「みなさん、お疲れさまでした~!今から解散です」
副会長がそれだけ言うとみんな立ち上がった。
僕も帰ろうとした。が、
「2年B組若狭藍!来いっ!」
おぶっちーからのマイクを通しての呼び出し。すっかり忘れていたよ、おぶっちー。
みんなからじろじろ見られてるから、やめてよ。
「また若狭かー」
「ドンマイ、若狭!」
「春眠若狭!」
みんな好き勝手に言いやがって。
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