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寮前のベンチに辿り着き、息を整えているとキャリーを持ったあの変装っ子がベンチから立ち上がった。
「あの、大丈夫ですか?」
声が可愛い…!遠慮がちに敬語。敬語に慣れてないんだな!
「君に会いたくて…じゃなくて待たせてるから走ってきただけだよ!」
いかんいかん、本音が漏れてたのを誤魔化すために笑顔。
変装っ子は顔が赤かったが、まさか僕の笑顔にときめいたとか…ないない!
「僕は若狭藍だよ。よろしくね!」
手を差し出すと変装っ子は遠慮がちに手を握ってくれた。
「お…僕は立花遥(たちばなはるか)です。よろしくお願いします」
ハルカちゃんか…名前まで可愛いんだな!
「慣れてないんなら敬語使わなくていいよ?」
それだけ言うと、少し雰囲気が変わった。まぁ、怯むような僕じゃないけど。
そして確信した、この子は変装した不良受けだと!
「…なんで分かった?」
おー怖い怖い。
BatやFakerと対立したチームならなおよしなんだけどね。そんなチームはCROW辺りかな?
「んーぎこちないからかなぁ?先輩とか慣れないから、藍でいいよ。ハルちゃん」
「ハ、ハルちゃん!?」
嫌?と首を傾げるとハルちゃんは別に…とそっぽを向いた。
君はツンデレなんだね!
「じゃあ行こうか?」
ハルちゃんはこくんと頷いた。やっぱり可愛い!
「ハルちゃん可愛いよね」
「か、可愛くない!」
そんなとこが可愛いのに無自覚なんてもったいない!そんな無自覚さに生徒会はぞっこん!
ハルちゃん総受け万歳!
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