1::張三李四:チョウサンリシ

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  寮前のベンチに辿り着き、息を整えているとキャリーを持ったあの変装っ子がベンチから立ち上がった。 「あの、大丈夫ですか?」 声が可愛い…!遠慮がちに敬語。敬語に慣れてないんだな! 「君に会いたくて…じゃなくて待たせてるから走ってきただけだよ!」 いかんいかん、本音が漏れてたのを誤魔化すために笑顔。 変装っ子は顔が赤かったが、まさか僕の笑顔にときめいたとか…ないない! 「僕は若狭藍だよ。よろしくね!」 手を差し出すと変装っ子は遠慮がちに手を握ってくれた。 「お…僕は立花遥(たちばなはるか)です。よろしくお願いします」 ハルカちゃんか…名前まで可愛いんだな! 「慣れてないんなら敬語使わなくていいよ?」 それだけ言うと、少し雰囲気が変わった。まぁ、怯むような僕じゃないけど。 そして確信した、この子は変装した不良受けだと! 「…なんで分かった?」 おー怖い怖い。 BatやFakerと対立したチームならなおよしなんだけどね。そんなチームはCROW辺りかな? 「んーぎこちないからかなぁ?先輩とか慣れないから、藍でいいよ。ハルちゃん」 「ハ、ハルちゃん!?」 嫌?と首を傾げるとハルちゃんは別に…とそっぽを向いた。 君はツンデレなんだね! 「じゃあ行こうか?」 ハルちゃんはこくんと頷いた。やっぱり可愛い! 「ハルちゃん可愛いよね」 「か、可愛くない!」 そんなとこが可愛いのに無自覚なんてもったいない!そんな無自覚さに生徒会はぞっこん! ハルちゃん総受け万歳!  
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