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俺はアパートから出て、違和感を感じた。
月が…………赤い……?
いや、赤よりももっと暗い紅い月……。
こんなに紅い月は初めて見た。
「……………………。」
それに夜中とはいえ、何の音も聞こえない。
まるで時間が止まったかの様に………。
「…気味が悪い………。」
思わず俺はそう口にし、早くコンビニに行って帰ろうと歩き出した、その時!!
───………キィ………キィ………───
「っ!!」
静寂な闇の中に、いきなり聞こえてきた音〈ノイズ〉
俺は、思わず身を固くしたが、その音〈ノイズ〉は遥か先の方からしてきたので、胸を撫で下ろした……。
そして、俺は不意に音〈ノイズ〉のする方に吸い寄せられる様に歩み寄った………。
どうやら音〈ノイズ〉の出所は公園のようだった。
(……………ブランコに誰かいるのか……?)
俺はそう思いながら一歩一歩ブランコに近付く。
近付くにつれて、闇の中から浮かび上がる人影。
徐々に紅い月の光によって浮かび上がった人影は、少女の姿だった……。
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