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その少女は、俺に気付いていないのか、両腕を抱え込んで、俯いていた。
「………………どうかしたのか?」
俺は近付きながら少女に声を掛けた。
が、反応がない………。
俺は尚も近付き、少女に触れようとした瞬間っ!!
「……………触るな……。」
少女はそのままの体制で、言葉を発した。
それは子供の声とは思えない程の低い声で、俺は思わず出した手を引っ込めてしまった……。
「…………どうかしたのか?」
俺はもう一度少女に問いかけた。
「………貴様には関係ない。さっさと去───
トサッ……
少女が前のめりにいきなり倒れた。
「ちょっ!!
お前、大丈夫か?」
俺はそう言いながら、少女を抱き起こした。
──────ヌルッ
不意に俺の手が生暖かい液体に触れた。
恐る恐る目の前に持っていくと、それは血だった。
そして、その瞬間に俺は見てしまった。
紅い月のせいだと思っていたが、少女の服が血で赤く染まっている事…………そして、少女の周りが血の海だと言う事をっ!!!
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