オワリノハジマリ

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「ちょっ!!なんだよこれ?一体何があった?? ………じゃない、病院に連れてかないと!! ええっと、まずは救急車!!」 俺はパニッくった!! この血の量は半端無い!! 下手したらこの子は死んでしまう!! だが、少女の声は冷静その物だった……。 「………ッ!!………五月蝿い。 あんたには関係無いから放って置いてくれ………ハァー……ハァー……。」 「関係無くねぇ!! 女の子が血塗れでいたら誰だってほっとけねぇよ!!」 「私は大丈夫だから!!! だから、放っておいて!!! そして、とっとと去りなさい!!」 少女はそう怒鳴る様に言い、顔を上げて俺を睨み付けた。 その目に俺は恐怖を感じた!! 「………ぁ………ぁぁあ………。 め………、目が紅い……。」 そう。 彼女の目は月と同じ様に紅かった………。 「……………探しましたよ、里奈。」   「!?」 不意に後ろから声が聞こえた。 とっさに振り返るとそこには、30歳位のコートを身に纏った男がいた。 そして、気配はもとより、足音すら感じなかったのに、その声の持ち主は5メートルも離れていなかった。 「……………………ちょっと来るのが遅かったんじゃない? おかげでゆっくり休めたわ!!」 「ほぅ……それは困りましたね。 もう少しで楽にさせてあげれましたのに……。」   「あら?貴方ごときにヤられる私だと思いまして??」 「くくくっ……、威勢が良いですね。 ですが貴女の血が止まらない事、それに、貴女の姿が本来の子供の姿に戻っている事が何よりの証拠でしょう?」 ………………俺は意味が理解出来ずにいた。 楽にする? ヤられる? 血が止まらない? 子供の姿に戻る? なんだよ、それ?  
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