彼は霊感少年

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「ねぇ、今日転校生が来るんだってよ!」 「え、イケメン?美女?」   無駄に騒ぐ高校生達。彼らにとっては転校生は小学生の遠足にも負け劣らない大イベントなんだろう。 私も女子高生ですけど、ね。   「時雨さんは嬉しくないの?」 「来ないと分かんないじゃない。イケメンだったら騒ぐけどねーそりゃ。」 「テンション低いですなー時雨さんは」と返答される。 アンタらが高いんだ!と言い返したくなった。   私、時雨涼子はごく普通の女子高生である。読みは、シグレ リョウコ。トキサメさんって言われる時もあるけど、先祖代々シグレと読む。 今時のナウい女の子達から少し置いてかれているような、自分で言うのもなんだけど、大人しい分類に入る、と思う。 自分から物を言うのは嫌い。人前に出るのも好きじゃない。静かに暮らすのが好きで休日の日課は、コーヒーを飲んだり、散歩をしたり写真撮ったりする事。   地味な私の紹介はこれくらいしかない。
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