彼は霊感少年

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そして、早くも、早退を希望した。   「…う……!」   脂汗が、だらりと落ちた。 何故なら、彼の背後に 何か、いたから。    転校生は、男だった。 肩につくくらいの黒髪で、所々がボサッとしている。 背丈はやや長身で、細身。 襟からは真っ白で細い首が伸びていて、容姿は美形、に近いかもしれない。私好みではないけど。 しかし、そんな分析しなくても、その“ヤバそうな”オーラはすぐに分かった。   「転校生の…」 先生が黒板に名前を書き始める。そんな事より、志村、うしろうしろーッ!! 「すまん、やっぱりお前が書いてくれるか?」   先生が苦笑しながら転校生にチョークを渡す。 転校生も苦笑しながら、受け取る。そして、さりげなく腕を後ろに振るった。   「…っ?」   背後の何かは消えた。
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