彼は霊感少年

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_消したのかな? それとも、私の見間違え?   とりあえずは後の説を信じる事にした。そういうのを肉眼で確認してしまうのは、今に始まった事ではないし、今までも学校で見た事はある。 大丈夫、とひたすら自分に暗示をかける。   転校生は、チョークを黒板に当て、ひたすら線を引く。   そして、浮かび上がる文字は六文字だった。    十七夜月灯毬   じゅう、なな? やつき とも… 名前、だよね、と確認したくなった。なんか和風漫画の技名みたいな…。 クラスからも誤読の声があがる。(誤読かどうかは分からないけど)   「カノウ、ヒマリです。」   落ち着いた声で優しく微笑む難読転校生。 改めて顔を見ると、やっぱり綺麗といえば綺麗。しかし血色が悪く不健康なイメージがある、か弱そうな感じ。 そんな中性的な表情に女子達は一気に火がついた。 「かっこよくない?」 「確かに!草食系?」 「てかイケメンでしょ」 ヒソヒソと耳打ちし、ニヤニヤ笑う女子達。 何度も言うが個人的に好みではない。私の好みはもっと健康的な小麦肌のガッチリしたマッチョ体系の…
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