彼は霊感少年

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「難しい漢字だろ。これでカノウって読むらしいぞ。ま、今日から同級生なんだからちゃんと書けるようにしとけよ。」   先生も苦笑しながら紹介した。 しかし名前も変わってる。 ヒマリという名前自体も珍しいけど、何より女の子みたいな名前だなぁ、と驚き。 かなり和風だし素敵な名前ではあるなぁ、と微かに嫉妬した。   「兵庫県から家の都合で引っ越してきました。 人付き合いとか得意じゃないけど仲良くしてくれると嬉しいです。 宜しくお願いします。」 そして、みんなで拍手。 我ながら暖かいクラスだと感心した。イケメンだからかな。   「じゃあ、カノウ君、そこのシグレの隣で。」   勿論、先生の案内した座席は私の隣。 私は紳士らしく椅子を引いた。 カノウ君(漢字が難しいのでいちいち思い浮かべないようにした)は静かに歩み寄り、席へついた。          そこで、また背後に見てはいけないものを確認した。
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