No.00

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   目を見開いたのは、  不覚にも少女だった。  不適な笑みを睨みつける。 「頭でもおかしいの?」 「正常だよ、とは言えないかな」  けらけら。  笑い声は室内を満たし、  少女は何故か毒気を抜かれた。  和傘をくるりとまわす。  桜吹雪は相変わらず季節はずれだ。  ごてごてのヘッドフォンから、  優しい音が零れ落ちたのを聞いた。  
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