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男は人差し指を立てる。
さながら、
名案が思いついたかのようである。
こうしよう、
あんたは『ルー』、
おれは『ニー』、
二人合わせて『ルーニー』だよ。
「狂人だとか、失礼」
「ルーの口の悪さにはかなわない」
「呼び方決定かよ、死ね」
「ほらね」
にやり。
なんとも、腹立たしい笑みだろうか。
少女は、
いや、
ルーは、
むかついたからもう一発殴っておいた。
じんじんと痛む頭をさすりながら、
和傘をくるりとまわす。
早くも、
桜吹雪を見慣れた。
二度目の侵食だ。
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