読者への〇〇〇

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A.小説書いたんだ。 B.ああ、趣味でやってるやつ。 A.傑作だよ。僕、天才かも。 B.自分で言うかね。 A.タイトルは、呪いのビデオ。 B.うん。パクりだね。それに最近はDVDだよ。 A.芸や技を磨く……あ、これ術をつけてもいいね。芸術や技術はまず模倣から。 B.そんな言葉、聞いたことないよ。 A.僕が今、考えた。 B.それで、ホラーなのかい。 A.ミステリーだよ。 B.ふうん。 A.あ、読んでよ。まずは登場人物の父親の会社が倒産するところから始まるんだ。父さん……倒産……、ぷふ。 B.自分が面白いと思ったものでも人が面白いと思うとは限らないよ。 A.ええ……そうなの……? B.小説の中では事実なんだから、笑えないよ。笑うところじゃないよね。 A.とにかくもう書いたんだからせっかくだから、ほら、将来の流行作家の作品だぞ。 B.ずいぶん大きくでたね。ハードル上がったよ。
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