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ずっと、追い掛けていた。
どこか影があって、少し寂しそうな、だけど優しくて力強いその背中を。
そうありたいと願っていた。
だから俺は、今のあいつが許せない。
へらへらと作り笑いなんか浮かべてさ。
王子だなんだって、持て囃されていい気になって。
面白くない。
なんか、裏切られた気分。
その化けの皮を剥いでやろうか。
その居心地の良さそうな場所を奪ってやろうか。
「次」
「1年2組、武近虎太郎です。よろしくお願いします」
そんな、歪んだ気持ちで一歩を踏み出したのがきっかけ。
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