侵食

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あれから二週間。 仕事が忙しくて真美には会っていなかった。 毎日メールや電話をしているので寂しさは紛れているが、やはり直接会いたかった。 オレには真美が必要だし、真美もきっとそう思ってくれているに違いない。 「オレはこの世で真美が一番大切だよ」 電話で言った少しクサい台詞。 でも嘘じゃない。 「私も大切だよ」 そこまで思い出して、嫌な妄想が脳内で再生された。 真美の第二声。 「 ナ ッ ト ウ ノ ツ ギ ニ ネ 」 やめてくれ― オレは真美をそんな目で見たくない!! 悲しかった。 こんなオレの妄想を知ったら、真美はどう思うんだろう…。 「 モ ウ ソ ウ ジ ャ ナ イ ヨ 」 やめてくれ… やめてくれ…! やめてくれ…!!!!!! …携帯が鳴った。 …真美からだ―――
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