侵食

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日曜。 キレイ目のジャケットを着て待ち合わせ場所の駅へと向かう。 待ち合わせ時間まで20分弱あったが、駅に着くと真美はもう来ていた。子供のように手を大きく振っている。 「真美、早いよ」 「だって久々のデートだもん、嬉しくってつい…」 約3週間ぶりに会う真美の笑顔に心が弾んだ。 ただ人より納豆が好きなだけ。 そう、ただそれだけではないか。オレは自身の小ささを叱った。 今日は街へ繰り出すつもりだ。 おいしいものを食べたり、オシャレな服を見て周るのもいい。 「さ、行こうか」 オレは真美の手をとり、電車に乗り込んだ。
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