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藤堂が外に出ると、すぐ近くの路地を覗き込むようにして人だかりが出来ていた。
その中心に、人だかりと同じ方向をぼんやりと見つめている沖田の姿が見える。
「……総司、お前勘定してから行けよっ
てかどうしたの、ぼーっとして……」
藤堂は人だかりをかき分け、
つっ立ったまま動かない沖田のそばへ行くと声をかけた。
「なんか……綺麗に見えるんですけど、これって私がおかしいだけなんですかね…」
「……はい?…何?綺麗って……」
藤堂は、自分がおかしいのに気づいたのは今更なの?と思ったが、あえて口に出さず
沖田の変な発言に疑問符を浮かべながら皆の見つめる先を追った。
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