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(A side) 捕まえた、今日こそ絶対に聞いてやる。あんたがあたしを嫌って避けてる理由をね。 「やっ、離して!」 「やだ、」 「一体なんなのっ!」 亀梨があたしの手を振りほどき、涙目になりながらも必死にあたしを睨んで叫んだとの同時に、暗くて重たい曇から大粒の雨が降り始めた。 「あ~あ、かめが叫ぶから曇がビックリして泣いちゃったじゃんか」 「は…?」 あたしの言葉に険しい表情を浮かべて首を傾げる亀梨。それでも、あたしだけに向けられる視線に満足している自分がいる。あたしは一体何がしたいのか、何のためにここまで亀梨を気にしているのかが、自分でも全くわからない。  
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