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「あんたさ、あた……」 そう言いかけた時、先生が入って来た。 「おーい、電気もつけないで暗い教室で何やってんだ?雨降って来てヤバいし、これから雷鳴るみたいだから今日の補習はなしだ。気をつけて急いで帰れよー」 大きな声で、暗い教室にいるあたしと亀梨にそう告げるとすぐに去って行った先生。 「わたし…帰るから、」 手を離して、と言いたげな目であたしを見る亀梨。そっと手を離せば鞄を持ってドアのところまで行こうとする。 あたしは何も言えずただ亀梨の背中を見つめていた。するとピカッと教室が光、数秒遅れてドーン、と大きなな音が鳴った。 ガタンッ 亀梨の身体がビクンと跳ねたかと思えば、近くにあった机に思い切りつまづき転んだ。  
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