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やがて君から笑顔が消え、泣きそうになる。
そんな君を僕は抱きしめ、僕らが出逢った日を思い出していた。
-2年前の4月5日-
僕は入学式に遅れそうで、校門に向かって走っていた。
すると反対側から君が走ってきた。ぶつかりそうになる。
「ごめんなさぁいっ」
君はそう行って走り去った。
揺れている長い黒髪が綺麗だった。
式が終わり、教室に行くと隣の席は君だった。
「あの…さっきはごめんなさい」
おずおずと謝る君。
「いや、気にしてないよ。こっちも悪いし…ごめん」
そう言うと、
「ありがとうございます!」
君はそう言って笑った。
その笑顔があまりに綺麗で。
この日、僕のすべてが始まった。
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