9月トモヨ

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9月トモヨ

 ハナからペンションの話をされて、すぐに行ってみたいって思った。親には反対されると思ったけれど、ハナもいっしょだし、寝泊りは個室だからいいでしょって言ったら、あっさりOKが出たのは意外だった。個室だろうが、雑魚寝だろうがあまり関係ないんじゃないかと思うけど。    ペンションに行くのに、新宿駅で待ち合わせて中央本線で小渕沢駅まで行き、小海線に乗り換えたのだけど、時刻表の読み方なんてわかんなかったから、連絡が悪くて一時間近く待っていた。でも、そんなの全然気にならなくて、あっという間だった。と言うのは、売店買ったカルピスウォーターをベンチに座って二人で飲みながら、男の子の話をしていたから。  わたしはいままで付き合ったことなかったからので、その話をしたら、そんなにお父さんとお母さんに監視されているからって、随分まじめなんだねって、ハナに言われてしまった。その後、小海線の車両が来るまで、ハナの体験談を聞いていた。その時は他の人達もいたので、当たり障りのない範囲で話をしてくれた。中学の時、同級生と、高校二年の時一年上の先輩と付き合っていたそうだ。 ハナとわたしは四週間ペンションで働いた。朝起きて夜寝るという規則正しい生活をしたので、東京で今まで過ごしてきた夏休みの中で一番健康的だったんじゃないかと思う。 二回、ハナと休みが重なった。 初めの一回はサイクリングに行き。 後の一回はハナにテニスを午前中教えてもらい、午後は湖で過ごした。テニスコートで大学生の男子二人に声をかけられたけれど、二人ともわたし達の好みのタイプじゃなかったから、パスだったけどね。トイレにいく振りをして、二人でそのまま湖に行っちゃったから。その日の夜は、ハナの部屋で、その男子達の話でもり上がった。
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