9月トモヨ

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 最後の夜ペンションの経営者は、わたし達のためにチーズケーキを焼いてくれた。パンプキンパイは、毎日お客さんに出しているのを食べていたので飽きていた。ベイクドチーズケーキは美味しかった。  わたしが東京へ帰る支度をしていたら、先に支度を済ませたハナがわたしの部屋に来て、明日から東京だねって言ってベッドに座った。トモヨはヴァージンのまま東京に帰ることになったねとからかわれてしまった。そんな出会いもあるかもしれないと期待していたけれど、やっぱりマモルが好きなので、他の人は考えられなかったってこともある。だから、その時、気になる人がいると言ってしまった。ハナは誰なのかと、ニヤニヤしてきいてきた。マモルだと教えたかわりに、ハナにロストヴァージンの時のことを話してもらった。ハナは今、好きな人がいないので。 ハナのロストヴァージン。相手は例の高校二年の時に付き合っていた先輩だった。推薦で進学先が決まっていた先輩の部屋で、ヴァレンタインデイに。その先輩とは、付き合い始めて一年たった記念日だった。
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