2、万優と奈穂(まゆとなほ)

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  どんなに頑張っても万優には敵(かな)わない。 いっそ万優の事を憎んでしまえたらいいのに。 憎んでしまえたら、楽だったのに………… 憎めなかった。 浮かれる両親を避けるように自分の部屋でうずくまっていると、万優が入ってきて 「高校合格おめでとう。奈穂なら絶対大丈夫だと思ってたよ!はい、合格祝い」 と言うと重そうに紙袋を出す。 「私……に?」 「そ!ストラップは私とオソロのクマちゃんなんだ」 プレゼントは携帯電話だった。 嬉しくて嬉しくて……万優にしがみついて泣いた。
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