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どんなに頑張っても万優には敵(かな)わない。
いっそ万優の事を憎んでしまえたらいいのに。
憎んでしまえたら、楽だったのに…………
憎めなかった。
浮かれる両親を避けるように自分の部屋でうずくまっていると、万優が入ってきて
「高校合格おめでとう。奈穂なら絶対大丈夫だと思ってたよ!はい、合格祝い」
と言うと重そうに紙袋を出す。
「私……に?」
「そ!ストラップは私とオソロのクマちゃんなんだ」
プレゼントは携帯電話だった。
嬉しくて嬉しくて……万優にしがみついて泣いた。
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