【オリ】吐き捨てた白

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空からは白き雨が降り続いている。 この寒い季節は、これがあるから嫌いにはなれなくている。 「…くしゅっ。」 …天気予報、見とくんだった…。 嫌いになれない白い雨を眺めながら、寒さを凌ぐ方法を模索していた。 無人ホームのベンチに腰掛けながら、自分はこんな事を考えていた。 (…こんな退屈な世界を抜け出して、何処か違う世界に行けたら…) そんな儚い夢を思うほど、退屈なのか…オレは。 …あ~…眠い。 …まぁ、時間もあるし、少し寝るか…。 -…バカダナァ…- …え? -…キミタチハ、ヨクバリナンダ…- …誰? -…ボクタチハ、スグにキエテシマウ、ソレシカナイノニネ…- …良く分からない、でもそんな悲しい事を…。 -…ダカラ、ボクタチハキミヲヨンダンダ…- …え? どうして…? -…タトエボクラガキエタトシテモ、ボクラノコトヲワスレタリシナイデホシイ、 ナニヨリカナシイノハ、【ダレカラモワスレラレルコト】ナノダカラ…- …でも、君が分からない…。 君たちは一体…! -…フフ。 ボクラハイマキミノスグソバデオドッテイルヨ…? ソウ…ボクラハ…- …はっ…!? …ゆ、夢…か? …なんだったんだろう、今の…。 結局…アレは一体…。 握っていた手を開いて、少し考えていた。 …………… -…ヤクソクダヨ?…- 手のひらの上に舞い降りた…白い雨。 …あぁ、そうか…。 ようやく気付けたよ…君たちの事に…。 汽笛の音が、遠くからなり響いている。 その中でも、彼には聞こえていただろう。 彼等の儚い歌声(メッセージ)を。
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