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「ふぅ…今日もお疲れ様…と」
自宅に戻った私は、手提げ鞄を置きつつ、自然とこう呟いた。
「…なんて言ってる場合じゃないわ、早くアレをチェックしないと…!」
早速私は、自分の鞄の中から一つのビデオテープを取り出した…。
「この中には…私が今まで求めていたモノがあるはず…」
期待と不安に胸を踊らせながら、私はビデオデッキにビデオを差し込んだ。
「友達の話が本当なら…きっと…。」
鼓動が高鳴り、手も若干ながら震え始める。
それでも、この手はまっすぐ、「再生」へと向かい、そして押していた。
映し出されるのは、砂嵐。
何分待っても、変わる気配はない。
「やっぱり…アレはただの噂…だったのかしら…?」
不満の色を滲ませつつ、「停止」に手を差し伸べた、その時だった。
砂嵐が終わりを告げ、新たに映し出されたのは暗い森の中である。
「…!!?」
その中央に、古びた井戸も存在した。
「…やっぱり…!これは…本物の…。」
そう、呪いのビデオ。
このビデオを見たものは死ぬと言われている。
なんでもその中に映っている井戸から、人が現れるらしい、と聞いてはいた。
「でもまさか本物だなんて…あっ、急がなきゃっ!」
そう口に出した時に、ビデオの井戸に、何かが見えた気がした。
「まずいっ…!急がないと…!」
そういって立ち上がり、準備に取り掛かる。
しかしこの間にも「彼女」は、ゆっくりと…しかし確実にこちらに近づいてくる…。
「お願い…もう少し待って…!」
しかし願いも虚しく彼女は遂に目の前まで近づき…画面から…這い出てきたのである…!
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