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――――朝…
カーテンの隙間から、
明るい光が差し込んでくる。
「ん-、今日もいい天気ネ!」
そう言いながら神楽が
カーテンを勢いよく開けると、
昨日はソファーの上で
寝てしまっていた銀時が
眩しそうに眉をよせる。
「眩しい…
神楽、カーテン閉めてくれ。」
「銀ちゃん、
こんな晴れた日にいつまで
寝てるつもりアルか!?」
神楽は頬を膨らませて、
銀時の毛布を引き剥がす。
「さみぃ-っ!
…勘弁してくれよ、
まだ7時じゃねェか。」
そう言って銀時は神楽から
毛布を奪い返し、再び
ソファーの上で眠ろうとする。
「…はぁ。
銀ちゃんがマダオになる日も
近いアルな。」
神楽はため息をつき、
外に出掛ける準備を始める。
「…どっか行くのか?」
「とれーにんぐ!」
そう銀時に言い残し、
神楽は靴を履いて
“いってきます!”
と笑顔で万事屋を出て行った。
「…頑張るなァ、あいつ。」
神楽が出て行き静まり返った
部屋で、銀時は小さく呟いた。
――――――――――
神楽がこんなに朝はやくから
走り込んでいるのは、昨日今日に始まったことではない。
……それは少し前。
唯一の兄妹である兄と
再会した時からだった。
――…強く、なりたい。
それだけを胸に、神楽は毎日
自分を鍛えているのである。
…しばらく走りつづけ、いつも定春と来ている公園に着いた。
「……あ。」
そこには、
神楽の見知った人がいた。
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