誰のせい?

2/13
214人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
――――朝… カーテンの隙間から、 明るい光が差し込んでくる。 「ん-、今日もいい天気ネ!」 そう言いながら神楽が カーテンを勢いよく開けると、 昨日はソファーの上で 寝てしまっていた銀時が 眩しそうに眉をよせる。 「眩しい… 神楽、カーテン閉めてくれ。」 「銀ちゃん、 こんな晴れた日にいつまで 寝てるつもりアルか!?」 神楽は頬を膨らませて、 銀時の毛布を引き剥がす。 「さみぃ-っ! …勘弁してくれよ、 まだ7時じゃねェか。」 そう言って銀時は神楽から 毛布を奪い返し、再び ソファーの上で眠ろうとする。 「…はぁ。 銀ちゃんがマダオになる日も 近いアルな。」 神楽はため息をつき、 外に出掛ける準備を始める。 「…どっか行くのか?」 「とれーにんぐ!」 そう銀時に言い残し、 神楽は靴を履いて “いってきます!” と笑顔で万事屋を出て行った。 「…頑張るなァ、あいつ。」 神楽が出て行き静まり返った 部屋で、銀時は小さく呟いた。 ―――――――――― 神楽がこんなに朝はやくから 走り込んでいるのは、昨日今日に始まったことではない。 ……それは少し前。 唯一の兄妹である兄と 再会した時からだった。 ――…強く、なりたい。 それだけを胸に、神楽は毎日 自分を鍛えているのである。 …しばらく走りつづけ、いつも定春と来ている公園に着いた。 「……あ。」 そこには、 神楽の見知った人がいた。  
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!