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…そして戦いが始まってから、しばらく経った。
「うぉぉぉお!!」
「甘ェんだよっ!」
――が、
まだ勝負はついていない。
激しい打ち合いの中、
「あッ!」
神楽がバランスを崩し、
後ろに倒れそうになった。
「もらったァァア!」
沖田は竹刀を大きく振り上げ、止めをさそうとした…が。
「…!?」
ガキィィインッ
どこからか神楽が
持っているものと
似たような傘が飛んできて、
沖田はとっさに
それを受け止めた。
「…ッ、誰でィ!?」
「ふ-ん、受け止めるとはね…。
人間のくせに、
なかなかやるね―。」
沖田が睨みつけた先から、
ニコニコした男が歩いてきた。
「でも…」
一瞬目を見開いたかと思うと、その男は沖田の目の前から
いなくなった。
「やっぱり人間は…人間だ。」
「……!!」
次の瞬間―
先ほどの男はいつの間にか
沖田の後ろにまわりこみ、
沖田はとっさに受け身を
とろうとしたが間に合わず、
ベンチに叩きつけられた。
「……」
一瞬の出来事だったため、
神楽は
何もすることができなかった。
「…ッ、サド…!?」
だがすぐにハッとし、
沖田に掛けよろうとした。
「か―ぐらっ♪
大丈夫?ケがしてない?」
が、先ほどの男が
神楽の前に立ちふさがった。
…神楽はその顔を見た瞬間、
目を大きく見開いた。
「…!兄ちゃ…「いってーな
コノヤロォォオ!」…。」
神楽が男に
何か言いかける前に、
沖田が鬼のような顔をして
立ち上がった。
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