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『わぁ、雪だよ。すごいね、みーんな真っ白だ!』
暖かい気候のこの街にも、寒さがやってきて
もう何年も音沙汰なかった雪が、僕らの下へ舞い降りた。
「本当だ。絵本の中だけのものじゃなかったんだね。」
隣に立つ君も、この日はどこと無く笑っているように見えた。
―――――――
僕らにとって初めての雪に、僕は寒さも忘れて家を飛び出した。
朝ごはんも食べずに、いつも2人で遊んでいる森の入り口へと走る。
するとそこにはもう、君の姿があった。
『すごいねー。足あとができるよ!』
僕は歓声を挙げながら、君に声をかける。
「うん…。そうだね。」
少し考えた風な君。何処かから長い木の枝を持って来ていた。
不思議に思ったが、いつも僕の知らないことをたくさん教えてくれる君。
今日もきっと新しい何かを教えてくれる、そう思い僕はまたワクワクした。
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