わたし

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“わたし”という存在が今この場所にいることを いったい誰が証明できるのだろう? 鏡に映る“わたし” 水面に映る“わたし” 写真に映る“わたし” どれも変わらず同じ顔が映り 相も変わらずつまらなそうに宙を仰ぐ 口は真一文字に閉じられ 目はどこを見るわけでもなく 同じ顔 同じ表情 それを自分だと言い切ることがどうして出来ようか? それはただのマネキンかもしれない それはただの人形でしかない そういわれて 納得できる気はしないか? だって結局 わたしは“わたし”を見ることが出来ないのだから 結局 “わたし”という形をつくるのは “わたし”の頭の中なのだから 2009.08.30
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