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リクが大きくため息を吐きだし、席へと腰を下ろすとバァンッと大きな音を立てて奥の扉が開いた。
『じゃぁ、よろしくね~。優樹くん~』
篠崎先生がいつものように甘ったるい声でいいながら扉から出てくる。
満面の笑顔だ。
どうやら怒りはおさまったらしい。
『・・・・・・・・』
そして、その後ろから顔を俯かせた優樹が出てきた。
『図書室までお願いね。さっき言った参考書20冊、全部見つけてきてよ』
教壇まで着くと篠崎先生は語尾にハートマークをつけて、優樹にウィンクを飛ばす。
『はい。喜んで。』
パッと顔をあげた優樹から発せられたキラキラと異様な輝き、満面の笑顔にクラス中が背筋に悪寒を感じたに違いない。
そんな優樹の様子に篠崎先生は満足気にうんうんと頷いていた。
『ああ・・・先生。
先生の為にもう一つ本を探しときますね。
“童貞を捨てる方法”がわかるやつ。』
ピシッと篠崎先生の爽やかな笑顔にヒビがはいり、
優樹は篠崎先生の怒りが噴火する前にエレベーターの中へと消えていった。
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