香澄VS375番台

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「お疲れ様でした~」 私、則竹香澄(のりたけかすみ)、25歳。入社して四年目。 今日もいつもと変わらずそう言い、会社を後にする。 目指すは、天国か地獄か。出来れば、天国であって欲しい。 そう思いながら、空いてる台を探す。 付き合っていた彼氏と別れて、三ヶ月。 元カレとの待ち合わせで来ていたパチ屋に行く習慣だけは、抜けきれず、今は、寂しさを紛らわせる為に来ている。 一人暮らしの家に帰るより、よどんだ空気でも落ち着くのは、いきなり、別れを切り出されたせいか、それとも、自分がそれなりの女に成り下がったのか…。 どちらにしろ、仕事終わりで、用事がなければ、打ちにくるのは、もう日課になってしまった。
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